不妊症周期療法とは

女性の生理周期は妊娠を準備するうえで月経期、卵胞期、排卵期、黄体期と女性ホルモンの分泌が変化します。
中医学では月経リズムで変化する体や心に合わせ漢方薬や養生法をかえて卵子の質をあげ、子宮内膜を厚くし着床しやすく流産しにくいつまり妊娠しやすい体を作っていく方法です。

月経期(周期の始めから3日目から1週間)
不要になった子宮内膜を月経として体外に排出します。
活血薬で子宮内膜をスムーズに排出します。
*活血薬:よごれてドロドロになった血液をサラサラにして瘀血を取り除くお薬です。
理気薬を併用して子宮の筋肉や血管の運動を整えて月経血を排出することにより月経痛を和らげます。
*理気薬:気滞(体を動かすエネルギーの流れが滞っている状態)を流すお薬です。

十分に睡眠をとり、体を冷やさないようにしましょう。
棗などの補血効果のある食材、温かいスープや生姜、シナモンなど体を温める食材をメニューに加えましょう。

卵胞期・低温期(月経後の約1週間から10日間)
子宮内膜の新しい粘膜層の再生・増殖が始まります。赤ちゃんを育てるベッド作りです。
卵巣内では1個の卵胞が成熟してきます。
発育中の卵胞からは卵胞ホルモンが分泌されます。

月経期で失われた血液を回復し、子宮や卵巣ね十分に栄養やホルモンが行き渡るように補血薬や陰を補う滋陰薬をもちいます。

早く就寝しましょう。
良質のたんぱく質(赤身の肉、豆類、卵)をとりましょう。

排卵期(周期の中間部の数日間)
卵巣内の成熟卵胞から卵子が排卵されます。その後卵胞は黄体をつくる。
低温期から高温期へ移行する時期であります。
活血薬と理気薬で排卵、黄体化へつなげます。

軽い運動(ストレッチ、ウォーキング)で気血のめぐりをよくしましょう。
セロリ、三つ葉、春菊など香りのある野菜を食べましょう。
黄体期・高温期(周期後半の約2週間)
受精卵を着床させるため、黄体ホルモン作用により子宮内膜への血液供給を増やし栄養を送ります。
エネルギー代謝が高まり基礎体温は低温期より0.3~0.5℃高く維持されます。

安定した高温期を維持して受精卵の着床、発育を促すために温補腎陽の漢方薬を用います。

妊娠の可能性があるときは激しい運動は避けリラックスを心がけましょう。
柑橘類やお酢、香りの豊かな野菜(紫蘇、三つ葉、セロリ)などを摂ってみましょう。