北海道など一部をのぞいて梅雨に入りましたね。
今年の梅雨は「大雨」と「気温差」に注意だそうです。
雨の中、とし子さんが薬店にやってこられました。
妊活をはじめて2年目の41歳のとし子さん
不妊治療専門クリニックでタイミング法、人工授精の治療をされてきました。
体外受精を初めて受けましたが残念な結果だったことから、授かりやすいカラダづくりを始められました。
「にこにこ先生、こんにちは。
雨ばっかりでジトジトうっとうしいですね。」
「とし子さん、この時期は日本人にとって体調を崩しやすいのよね。
湿気でお腹の具合が悪くなる人が多いのよ。
体の中の水のめぐりも悪くなって、頭が痛くなったりする人も多いしね。」
「そうなんですね。」
「それから、妊活さんにとって太陽が照らないってちょっと困るのよね。」
「へぇ~ 日焼けの心配がなくていいのかと思ったけど。」
「あははっ、たしかにそれはあるかな。
困る理由はね。 ビタミンD と関係があるのよ。」
「ビタミンD? あの骨を強くするのに関係する?」
「そうなのよ。そのビタミンDが妊娠や出産に関しても重要な働きをすることがわかってきたのよ。」
「ふぅ~ん。赤ちゃんの骨を作るために必要なのかしら。」
「ビタミンD は脂溶性ビタミンの1つで、きのこ類など植物由来のものと魚介類、卵などの動物由来のものがあるんだけどね。
たしかに妊娠中にしっかり摂っていると赤ちゃんが虫歯になりにくいとか筋肉の発達がいいという報告もあるわ。
その他にね。体の中で合成されて子宮内膜や卵巣、胎盤、精巣に作用するのよ。
だから、卵の発育、着床率、流産予防、精子の質に働きかけて妊娠しやすい体作りの強い味方なのよ。
ビタミンD は食べ物から取り込まれたり、日光を浴びることで皮膚から作られるから、日光は大事なのよ。」
「そうなんですね。知らなかったです。
シミができたら嫌なんで、日焼け止めクリームを塗りまくっているんですけど。」
「その気持ちはわかるわ。
朝起きたら、カーテンを開けて、窓の外の日差しを浴びる。
手のひらを少し太陽に当ててみる。
それだけでも心がけてみてね。」
「わかりました。日光を味方につけます。」
多嚢胞性卵巣の女性や子宮筋腫のある女性はビタミンDの濃度が低い傾向があることがわかってきました。不育症や流産にも関係があるとの報告があります。
梅雨の時期、日照時間が短くなりますが心がけてみてくださいね。
梅雨が明けて真夏がやってきたら・・・
日焼けしすぎるのもよくありませんので、朝起きたときの太陽を少し浴びる。
そうやって、工夫してみてくださいね。
(記:薬剤師・和学薬膳®博士 森川彰子)
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